アメリカ生活とお風呂

   

   アメリカに住んでいると、日本に比べて便利で快適なことが多いものだ。 車が手軽、広い公園とテニスコートやゴルフが無料か低料金でエンジョイできる。家は広いしコンドと言えども日本より広くて快適。 更に、人の口が煩くない等、数え上げるときりが無いくらい便利で快適なことは多いのだが、不便なことも幾つかある。 その数少ない不便の一つが お風呂だ。 日本人にとってお風呂はその美容と健康に欠かせないものだが、アメリカではこれだけは大変不便。大きなお宅で特別サイズのお風呂でも構えている家庭は別として、普通の場合、コンドに住んでいればもちろん、一軒家の場合でも、通常の洋式バスタブを使っている家が殆どだ。

 

   そういうアメリカの標準サイズの洋式タブでも たまにはおフロに入ってみたいのが 日本人の人情であり願望だ。 オーバーフローという穴からお湯が出てしまわないように、タオルや何かでそこを塞ぎながらタブにお湯を いっぱいためてお風呂として入る。

 

   お腹の出ている人はおヘソを中心とした腹部が水面外に出てしまうか、そうでなくても膝が水面下に納まらない。片側だけなら何とかなるが、もう片方の水面上の部分はうまく暖まらない。お湯に浸したタオルを掛けてみたり、左右の足のポジションを入れ替えてみたりと色々やってみるが、 どうも落ち着かない。――――というのが大方の現状のようだ。

 

   アメリカで肩まで浸かれるお風呂を設置するには、標準を超えたスペースを 必要と する。 たとえスペースがあってもお風呂設置には更に大きなお金を必要とするのが普通だ。

 

   そこに目をつけたのがネバダ州のプラスティック製品メーカー、パピリオン社。 

新製品は日本人マーケットを意識した物で、その名も和風浴槽  YUBUNE ”湯ぶね。 一軒家にはもちろんのこと、コンドの標準サイズバスタブスペースにも取り付けられると いう所がミソ。  外側の縦横サイズは洋式バスタブと全く同じなので、既存のタブとそっくり入れ換えることが出来る。 風呂の内のりと深さだけは日本の風呂と同じなので、大きさは大き過ぎずに、深さは肩まで充分浸かれるようになっている。

            

   取り付けにも工夫がしてあり、洋式のタブ同志の入れ換えよりも工事が楽に出来るようにもしてある。 従って工事費が安くて済むという利点もある。 オーバーフローという穴の位置も高いので、入浴中にお湯が減ってしまうという事もない。 また FRPFiberglass Reinforced Plastic)製なのでCast Iron製のタブのようにお湯が急速に冷めてしまったり、傷がついてしまったら直しがきかないということも無い。(因みに現在米国のバスタブの高級品は全てFRP又はAcrylicである。)

 

   アメリカ暮らしをしながら、日本式のお風呂にゆっくり浸かる―――こんな贅沢はないのではないだろうか。

 

20011月1日  鴇田  

 

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