日本人の健康とお風呂

(第三話)

      人間の体には血液が循環している。 血液が体の隅々まで行き渡ることによって新陳代謝が行われ,疲労が回復し体は次の日へ向かって生きて行けるのである。     
   これが止まれば死んでしまう。 止まらないまでも充分にうまく行かなければいろいろと障害が起きてくる。 腰痛、胃痛、ストレス、高血圧、低血圧、二日酔い、冷え性、不眠症、便秘、肩こり、頭痛、むくみ足,痔など、どれも血行不良または血液循環障害を主因とする人間の疾病である。

 
         その血液循環を促進する方法は運動、入浴,薬剤摂取等 いくつかあるが、中でも “入浴”は日本人にとっては生活の 一部になっている。 勿論運動による血行促進が出来るうちは やるべきであるし、むしろ運動もする入浴も欠かさないという のが一番よいことであるが、ある程度齢をとってくるとなにかと 運動の方は敬遠する訳でもないのになんとなく遠ざかってし まったりするのが現実である。そんな時でも励行できるのが入浴 である。
   

     “めし、ふろ,ねる“と言うのは一昔前までの困った亭主 の悪評高いせりふでしたが、今風に言えば”キッチン、バス & ベッド“ということであり、バランスのとれたおいしいものを食べ、お風呂にゆっくりと浸かり一日の汚れと疲れを取り除き、ぐっすりと眠る、これは人間生活の一番基本的且つ重要な要素である。  
    お風呂が健康に良い大きな理由はそれが血液循環を促すということの他にもうひとつある。 そしてそれは血行促進に勝るとも劣らないくらい重要なことである。 それは気分をリラックスさせるという精神衛生上の効果である。


    日本人は“ゆっくりお湯に入る”とか“お湯に浸かってリラックスする”という表現をする。 日本人にとってお風呂に浸かることは気持ちが休まることであり、いい気持ちになれる事なのである。 それを生活習慣としているのである。 自分にとっていい気持ちになれることをするのは脳内革命の著者春山博士の言を借りるまでもなく人の健康にとってよいことなので、お風呂にゆっくりと浸かる、湯船の中でのびのびとリラックスすることがどんなに日本人の健康促進・健康維持に貢献しているか計り知れないものがあるのではないだろうか。

    日本にはお風呂の好きな人が沢山いる。 いや好きでない人の方が珍しいくらいだろう。 そういうお風呂好きの人たちは仲間を募りグループを作っている。各地域ごとの組織もあるし、全国的なものもある。勿論最近ではインターネットも使って情報交換をしたりしている。そういうお風呂好きの人の中には本を著している人もいる。 それら著者達には医学博士やらお風呂研究家やらいろいろな肩書きの人がいて、お風呂の効能を述べ立てているが筆者のように浴槽を売ることをビジネスにしている人はいない。 従ってその著者達が言う“お風呂はあなたの健康に良いですよ”という言いは販売業者の言うそれよりも信頼出来るものとみてよいだろう。 ここに彼らの言うお風呂の効能、お風呂賛美の一例をあげてみよう。

           腰痛、胃痛、ストレス、高血圧、低血圧、二日酔い、冷え性、不眠症、便秘、肩
      こり、頭痛、むくみ足,痔などの悩みもスッキリ解消!
―――医学博士植田理彦著     “からだによく効くお風呂の入り方”より。  

 *心を元気に! からだをきれいに!            
      お風呂研究家・フリーライター前田京子著    “お風呂の楽しみ”より。

  *お肌も心も生まれ変わる!
             翻訳家執筆家 桐島ノエル訳                 “魔法のお風呂”より。

鴇田晴幸

バスプロ(株)社長

浴槽設計家・お風呂研究家

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